アダルトチルドレンの根源的な傷 | 存在への全否定は致命傷になる
罪悪感と恥の深い違い
幼少期に植え付けられるもっともダメージの大きい傷は、存在自体の否定です。人生を生きていると、辛い経験をしたことがないという人はいないと思います。辛い経験を経て、前を向いて歩き始められる人と、なかなか前を向くことが難しい人がいます。その違いは、受けたダメージの質の違いです。
罪悪感と恥。これらは微妙に異なる心の動きであり、その違いを理解することは非常に価値があります。
罪悪感はある行動や考えに起因するもの。例えば、「あの時の言葉を取り消せたら」と後悔するのは、行動や発言に対する罪悪感です。ここには心の逃げ道、修正の余地が存在します。
しかし、恥は違います。恥は自分そのもの、存在自体への否定感です。逃げる場所はなく、その痛みは深く、直接的です。「私そのものが間違っているのでは?」という感覚が恥に関連します。
この違いは特に、アダルトチルドレンの方々にとって深刻です。彼らの心の傷は、「私は存在してはいけない」という根深い恥から来ることが多いのです。この感情の前には、単にポジティブ思考を持つだけのアプローチは効果が薄いかもしれません。
参考:罪悪感と恥辱(恥)の違い
罪悪感 | 恥辱(恥) |
---|---|
私は何か悪いことをしてしまった | 私が悪い |
間違いを犯した | 私の存在が間違いだ |
私がやったことは良くなかった | 私が良くない |
誰がそんなに「わたし」を追い詰めたのか?
もし、過去の経験で自分を追い詰めるような心の声や感情が湧いてきたら、大人になったあなたは原因を深く、そして真摯に探ることが必要です。
「こんなにお母さんが辛いのは、あなたが生まれてきたからだ!」
と言われたとしたら、子どもは生きていく意味を失うほどの傷になることは想像ができると思います。そして、そのことがその後の人生を左右してしまうことだってあります。
例えば、自分と向き合ったら、忘れていた母親のひどい言葉を思い出す。すると、大人になって幸せになれないのは、あのときあんなことを私(僕)に言った、【お母さんのせいだ!】と怒りが湧いてくるかもしれません。
当然の反応です。
確かに、このような発言をしたお母さんは未熟だったかもしれません。
でも、無力だった子ども時代は去り、大人になっているあなたにはできることがあります。
大人になったあなたが幸せな方向へ転換するには、
「私(僕)はお母さんを憎んでいるんではない。ただ必要とされて愛されたかったんだ!」
と認めることから始めるのです。
これはショックかもしれませんが、逆に解放への鍵でもあります。
そして、必要とされていないとか愛されていないとか、何年、いや何十年も頭の中で言い続けてきたのは、母親ではなく自分自身だということです。そうやって、思い起こすたびに何度も何度も傷つけてきたのは、実は母親ではなく自分自身だという事実です。
まずは、自分が原因であるという立場に立ってみるのです。そうすれば、自分が解決のカギを持っているのですから。そのためには、新しい未来を自らの手で切り開く勇気が必要かもしれません。
詩:アダルトチルドレンの中毒性の恥
「私の名前は中毒性の恥」
私はおまえが母親のおなかに宿るときそこにいた
おまえの母親に恥のホルモンの中に
おまえは私を母親の子宮の流動体の中で感じた
私はおまえが話せるようになる以前にやってきた
おまえが理解する前に
おまえが知る方法を得る前に
私はおまえが歩き方を学んでいた時にやってきた
おまえが守られず、人前にさらされていた時に
おまえが傷つきやすく困っている時に
おまえがなんらかの境界線を持つ前に
私の名前は中毒性の恥私はおまえが魔法を信じている時にやってきた
私がそこにいるということをおまえが知ることができるようになる前に
私はおまえの魂を切断した
私はおまえの中心を貫いた
私はおまえに欠点があり、不完全な存在であるという感覚をもたらした
私はおまえに不信感、醜さ、愚かさ、疑い深さ、自己嫌悪感、劣等感、不全感をもたらした
私はおまえに異常な感じ方をさせた
私はおまえのどこかがおかしいと言った
私はおまえの神々しさを汚した
私の名前は中毒性の恥私は良心が生まれる前に存在していた
著書インナーチャイルドより一部抜粋/ジョン・ブラッドショー
罪悪感が生まれる前に
道徳が生まれる前に
私は感情を支配する
私は非難をささやく内なる声
私は精神的準備なしにおまえの中を流れる内なる戦慄
私の名前は中毒性の恥